エゴイズム☆キララ
彼女達はとてつもなくパワフルだった


要拝見から一気にテンションが上がった女の子達は、行く階行く階でイケメンを見つけた



その度に美亜に「あの人の名前は?」とか「何歳ですか?」とか…


社内見学は何時しか『イケメンツアー』に変貌していた






「ここが社員食堂だよー、この上の9階は役員の部屋になってます!」



面倒臭くなった美亜は8階の社食で案内を断ち切り、他は口頭で説明した



「午後は1時からだから遅れないようにね、それじゃ解散!!」



新入社員達は各々散らばり、美亜も解放された感を手にした





「のあ〜疲れた」



美亜は既に食べ始めていた綾子の目の前に座り、テーブルに大きく突っ伏し伸びをした



「おーご苦労ご苦労」



綾子に感情の篭っていない言葉で流され、美亜は悲しくランチを口に運び始めた



「皆若いよね」



美亜はちらほら居る、新入社員を見ながら呟いた



「何ババ臭い事言ってんの?私は若いわよ」



綾子は飄々と言い放ち豚汁を啜った
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