エゴイズム☆キララ
「ちゃんと言わなかったのは悪かったよ」と要は宥めるように言った
今年はすっかり忘れられているのだと思っていたが、既に自分の胃の中に納まっていた
美亜は何だか拍子抜けしてしまいキョトンとした
「ちゃんと毎年あげてるだろ?」と聞かれ、コクンと頷いた
いつも怒られて話を聞いてくれない時もあるけど、ホワイトデーとか家族写真とか
そういったのは1度も忘れた事はなかった
既に貰っているので催促出来ない事にガックリな気分と、自分では気付いていなかったが忘れずにホワイトデーをくれた事に嬉しさ半分
………嬉しさ3割
あからさまに残念がっていると「また作ってやるよ」と言った
美亜の耳がピクリと動き、キラキラした眼で要を見た
「ホントに?ホントに!?」
しつこく聞いてると「ホントだ!さっさと飯喰って寝ろ!!」と怒られた
要が指すダイニングテーブルには美味しそうな晩ご飯が並んでいた
「食べる!!」
美亜は忍者のように椅子に移動し
「要ちゃん食べよーよ!いただきます!!」
作った主より先に手を付けて食べ始めた