エゴイズム☆キララ
美亜は何とも言えない霧靄を吐き出したかった

とにかく、どんな形でもいい

正体不明なとぐろに巻かれたままなのは嫌だった





美亜は足を緩める事なくバッグから携帯を引っつかみ出し、アドレス帳の“あ行”を開き、目的の人物の電話番号を開くとブチッと通話ボタンを押した



プルル…とコール音が3回もしないうちに通話に切り替わった


よっぽど暇だったのか

ちょうど携帯を手にしていたのか



いや、今はそんな事どうでもいい




「もしもし!!」



美亜が威勢良く言うと、「白石さん!?」聞こえてきたのは、予定していた相手の声ではなかった



「もしもしっ!?」



もう1度

今度はちょっと遠慮気味に言ってみるが



「もしもし、白石さん?」



やはり聞こえてきたのは男性の声だった
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