エゴイズム☆キララ
「だったら、どうして先に言わないんだ?」
「うひっ!!ご、ごめんなさい」
語尾がだんだん小さくなってゆく
「テンパっちゃって…今日中に荷物出さないと住む所がなくて…行く所が思い付かなくて………」
蚊が飛び交うよりも小さな声で言った
「はぁー」
盛大な溜め息を付き、頭を左手で抱え込んだ
「お願いだから見捨てないで!!」
美亜は要の脚に絡まりつきながら懇願した
「あたし死んぢゃうー」
大袈裟に振る舞った
らしいと言えばらしいのだが、全く呆れる話だ
「もう要ちゃんしか頼れる人が居ないのっ!!」
こう言われては要が折れるしかないようだ
「全く、お前にはつくづく呆れるよ」
もう一つ溜め息をつき、美亜の頭をクシャっと撫でた
「洗濯物だけは溜め込むなよ」
要の一言でニパァと表情が明るくなり
「ありがとっ!!」
更に腕に力を込め柵ついた
収まる場所に収まったという表現が適切か否か定かではないが、美亜の新しい住家が決まった
やはり美亜には甘い所があるのかもしれない。と思う要であった