四 神 〜 しじん 〜
唯一 勾麟 を悩ませているのは 呼小妃 の行方…。

彼女は一体どうなるのか…

 追放 になれば、領土内はおろか、匈奴にも近寄ることは出来ない…。
罪人の証が、自身の存在を拒否させるから…。

 守る事も、二度と会う事さえ出来ないだろう…。


…どうか、西方王が慈悲深い判断を下すよう…


そう…ただ、ひたすら祈るのみ…。

 不甲斐ない自分に腹立たしさを覚えながら…


「連れて行け!!!」


 無慈悲な言葉が部屋の中に響き、勾麟 の身柄は兵士によって拘束される…。
 勾麟はあがらう事なく、“ それ ”を受け入れると兵士達の手によって、部屋の外へと連れ出された。



 一瞬・・・、

部屋を出る時、二人の視線が合う…



それが、父と子…
最後に見るお互いの“ 姿 ”であった…。


< 14 / 46 >

この作品をシェア

pagetop