四 神 〜 しじん 〜
酒宴が終わり…
朱雀 は 祝融 と共に、謁見の間を出た。
…そして、
一本の大きくそびえ立つ柱の横を過ぎようとした時……。
「朱雀様 !!!」
祝融の叫び声が響き渡り…
先を歩いていた 朱雀 の 喉元に剣の切り口が当てられた!!
「………!!!」
祝融が自分の剣を引き抜く…!!
だが、その手は何者かの剣先によって止められた。
白虎 の第一臣下
“ 辱収 ”(じょくしゅう)である。
「貴様!!」
「やめよ……」
祝融 が、辱収 を睨み付け、剣先を振り払おうとしたのを 朱雀 は静かに止めた…
「何やら向いてはならない“物”がこちらを向いているようだが? 白虎…!?」
喉元に突き立てられた刃先に動じる事なく
すぐ隣の柱に背中をもたれさせ、剣を構える人物に声を掛ける…。
「…お前が“何故”今朝方我が西方領に居たかを話してもらおう…」
白虎 の声は落ち着いてはいるが、疑心を含んでいる。
「貴殿と茶を嗜もうと寄ったまで
“朱苓茶”の良いのが手に入ったのでな…」
「…そこで“偶然”刺客に出会ったと…?
わざわざ 神器 を携えてか…」
「… 黄竜 は“助けて貰った”と言ったはず
それとも何か…!?
私が刺客を放ち、自分で
討ったとでも?」
「“黄竜”が西方領から入る事は極秘だったはず…
それに……」
「…白虎……。
あまり私を怒らせるな…」
「!!!!」