四 神 〜 しじん 〜
…しかし、事実を解せば

 己の領土の統治は勿論のこと、
侵略者等からの武力行使、 軍の出兵、武力の采配など、軍事関係全てにおいて皇帝の指示を仰ぐ事なく、
それぞれの王達が独断で動いていた。


長であるので、本来なら四神の頂点に立ち、采配を配り、指示を出し、使役する立場の皇帝…。

何故、このような扱いなのか・・・。



 最大の理由は、後継者達の弱体化であった。


“ 黄竜 ”(こうりゅう)の血筋は本来、頭脳より武力を重視する家系。


 一領土の王として、力を誇るプライドの高い猛者達を治めるのだから、当然と言えば当然のこと。


 しかし長い年月、完璧なまでの武力で周りを護られていると、中心の武力は必要なくなってくる…。

いつしか、黄竜は武力より 頭脳…戦いを指示する
“ 軍師 ”の家系へと移って行った。


 しかし、四神の中には 頭脳戦に秀でた者がいる…
北方神 玄武 (げんぶ) である。


 戦いの最前線にいる武神達が戦略を提示し、黄竜が“ それ ”に賛否を唱える
 …そう・・・。
主に“ 賛 ”を…。


 こうなると、力も乏しくたいして役にも立たない
“ 長 ”に“ お伺い ”など立てる必要があるのか・・・???



 おのずと黄竜の
“ 重要性 ”は薄れる…。


四神の武力はほぼ互角…。
 出遅れた黄竜の…
力の“バランス”が少しずつ崩れ始めて行く…。

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