四 神 〜 しじん 〜
二 章 勾陣
各々の城には“四等官 ”と呼ばれる者達がおり、主に政治的部分の統治を担っている。
紫の衣を纏う 統轄官 の“ 長官 ”(かみ)
赤紫の衣を纏う 長官補佐“ 次官 ”(すみ)
事務“ 判官 ”(じょう) 書記“ 主典 ”(さかん) この二役は共に黄緑である。
黄竜不在の間、四等官達が黄竜城を守ってきたが今、突如沸き起こった問題に城はかつてないほど、慌てていた。
ここは黄竜城最下層…。
生命の源である水・・・
その源泉が広がる地下の一角に社が建てられている。
時を預言する 夢見
神薙
の住居だ。
ここは地下であるにもかかわらず、とても明るい。全体に敷き詰められている特殊な石が、水と反応して発光しているからである。その光が水に反射して、水面が光り、神々しさを放っている。
社の中、水面に面した場所に一人の老婆が座っていた…。
年輪を刻む、折れ曲がった小さき躰に“ 金 ”の衣を纏い、深い無数のシワには、今まで生きてきた貴重な知恵と知識が刻み込まれていた。
そして今・・・
光を通さぬその瞳にまた、新たな夢見が告げられようとしていた…。
「麒麟がその姿を現す時、“ 仁 ”の心を持つ 黄竜誕生する…。」
“ 麒麟 ”は黄竜城と、四領土の狭間の山や森に生息する“ 瑞獣 ”(ずいじゅう)で、黄竜の守護獣である 霊獣 麒麟 とは違い、実体のない霊獣が世に遣わせた“ 神獣 ”と言われている。
躰は小さく、仔鹿ぐらい。長いたてがみに、頭に角が生えていて、全身が鱗で覆われている。
気が優しく、殺生を何より嫌う。
生息する地域によって、鱗の色が違っており、
南方領との狭間にいる麒麟は“ 炎駒 ”(えんく)と言い、鱗が赤い。
東方領では“ 獎弧 ”(しょうこ) 青い鱗。
西方領では“ 索冥 ”(さくめい) 白い鱗。
北方領では“ 角端 ”(かくたん) 黒い鱗。
そして、黄色い鱗を持つものが“ 麒麟 ”と呼ばれ、霊獣 麒麟 の分身とも言われているが、生息地は愚か存在さえも見た者はおらず、幻の 瑞獣 とされていた。
紫の衣を纏う 統轄官 の“ 長官 ”(かみ)
赤紫の衣を纏う 長官補佐“ 次官 ”(すみ)
事務“ 判官 ”(じょう) 書記“ 主典 ”(さかん) この二役は共に黄緑である。
黄竜不在の間、四等官達が黄竜城を守ってきたが今、突如沸き起こった問題に城はかつてないほど、慌てていた。
ここは黄竜城最下層…。
生命の源である水・・・
その源泉が広がる地下の一角に社が建てられている。
時を預言する 夢見
神薙
の住居だ。
ここは地下であるにもかかわらず、とても明るい。全体に敷き詰められている特殊な石が、水と反応して発光しているからである。その光が水に反射して、水面が光り、神々しさを放っている。
社の中、水面に面した場所に一人の老婆が座っていた…。
年輪を刻む、折れ曲がった小さき躰に“ 金 ”の衣を纏い、深い無数のシワには、今まで生きてきた貴重な知恵と知識が刻み込まれていた。
そして今・・・
光を通さぬその瞳にまた、新たな夢見が告げられようとしていた…。
「麒麟がその姿を現す時、“ 仁 ”の心を持つ 黄竜誕生する…。」
“ 麒麟 ”は黄竜城と、四領土の狭間の山や森に生息する“ 瑞獣 ”(ずいじゅう)で、黄竜の守護獣である 霊獣 麒麟 とは違い、実体のない霊獣が世に遣わせた“ 神獣 ”と言われている。
躰は小さく、仔鹿ぐらい。長いたてがみに、頭に角が生えていて、全身が鱗で覆われている。
気が優しく、殺生を何より嫌う。
生息する地域によって、鱗の色が違っており、
南方領との狭間にいる麒麟は“ 炎駒 ”(えんく)と言い、鱗が赤い。
東方領では“ 獎弧 ”(しょうこ) 青い鱗。
西方領では“ 索冥 ”(さくめい) 白い鱗。
北方領では“ 角端 ”(かくたん) 黒い鱗。
そして、黄色い鱗を持つものが“ 麒麟 ”と呼ばれ、霊獣 麒麟 の分身とも言われているが、生息地は愚か存在さえも見た者はおらず、幻の 瑞獣 とされていた。