自分、遠賀家に住んでおります。
少し苛立ったような
ムキになったような声で
まつりんが言った
『作間さんには
分かりませんよ!
どうせいっつも
“別れたくない”って
駄々こねるんでしょ?
私には、そんな
みっともないこと
出来ません…!』
ドキッ!
…駄々…こねるって何よ
みっともないって何よ
アタシがいつでも
言えると思ったら大間違い!
「イヤあのさ…
別れたくない、って言えるのはさ…
“それくらい好きだから
別れたくない”
んじゃないの?」
じゃあアタシ、
彰太のことそれほど
好きじゃなかったの?
…違う!
自然と涙が出てくる
ポロ
「別れたくない、って
言えるなら…
言っといた方…が
イイ…んだょ?」
ポロポロ
涙が止まらない
アタシだって本当は
彰太に別れたくない、って
言いたかった
一緒に頑張ろう、って
言いたかった
でも…言えなかった…
彰太の死が近いことが怖かった
別人ぽくなってたのが怖かった
急に別れよ、って言われたのが
怖かった
彰太が…
いなくなるのが
一番怖かったー…