水色の涙

うちは今日、中3になる。

親は受験とかでうるさいから、早く家を出ていた。

「ねえ、うさ吉・・・」

うちは空を見た。

冬の頃は、今の時間帯ではまだ薄暗いんだろな。

「うち、生きる価値あんの?」

ふっと聞いてみた。

誰かに言いたかった。

たとえ相手が、うさ吉のように心の持たないキーホルダーでも。

自然と涙が出てくる。

1滴、うちの頬に涙が伝う。

うちは涙に気付き、ベージュのベストで拭く。

「ごめん。うさ吉・・・」

うちは、うさ吉と目を合わせてみた。

「聞いてくれる?」

公園の時計を見ると、6時を過ぎたばかりだった。

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