水色の涙

お話し


昔はあたしもいい子だった。

すごくすごくいい子だった。

気はきくし、何よりお手伝いも出来て返事も出来る。

「明るい笑顔が素敵だね、真里佳ちゃん」

親戚にあたる叔母さんから言われたのを思い出した。

「明るい笑顔・・・素敵。か・・・」

なんか、あたしに合わないほめ言葉。

「うんっありがと。叔母さん」

なんて、当時返していたっけ?

はあ・・・昔のほうが出来いいじゃんね。

この前、めんどい正月の集まりでじぃじの家に行った。

その時聞こえた陰口。

コソコソッ

「ほら、あそこにいるでしょ??」

「ん?あっ、茶髪みたいな子?」

「そうそう。あの子、柏原さんとこの娘さん」

「えっ!!!柏原さんの?」

< 7 / 8 >

この作品をシェア

pagetop