軌跡
始まってしまえば呆気ないものだ。さっきまでの緊張が嘘みたいに、みんな伸び伸びとプレイしていた。
……おれたち、上手くなったんだな。
そう思える程、四人の実力は上がっていた。
「次の曲が、最後になります」
客席からは、落胆の声が聞こえてきた。最高に嬉しい瞬間だ。賢介が目配せし、睦也は曲紹介を始めた。
「最後の曲は、新曲です。曲名は、……for youといいます。恋人がいる方はその人を、片思いの方はその人を、どちらもいない方は……、昔好きだった人などを思い浮かべながら、聞いてください」
賢介はアコギを握り直すと、静かに歌い出した。
……おれたち、上手くなったんだな。
そう思える程、四人の実力は上がっていた。
「次の曲が、最後になります」
客席からは、落胆の声が聞こえてきた。最高に嬉しい瞬間だ。賢介が目配せし、睦也は曲紹介を始めた。
「最後の曲は、新曲です。曲名は、……for youといいます。恋人がいる方はその人を、片思いの方はその人を、どちらもいない方は……、昔好きだった人などを思い浮かべながら、聞いてください」
賢介はアコギを握り直すと、静かに歌い出した。