軌跡
「新曲って、やっぱり元カノさんに対して作ったんですか?」
隣に座った奈々は、突如切り出した。少し赤くなった頬を見ると、酔いが回ってきているのだろう。そのすぐ横では、いつものように太輝が奈々の友達に猛アタックを開始していた。
「彼女のためだけに作った訳じゃないけど、結果的にはそうなるのかな」
睦也も酔いが回っているのか、素直に答えていた。
「やっぱり、まだ好きなんですね?」
その問いには答えなかった。答えられなかった。酔っていたとしても、それを軽く口にすることは出来なかった。いや、例え泥酔状態でも、口にすることはなかっただろう。
黙ったままの睦也を見て、それをYESと受け取めた奈々は、そうですよね、力なくそう呟いた。
隣に座った奈々は、突如切り出した。少し赤くなった頬を見ると、酔いが回ってきているのだろう。そのすぐ横では、いつものように太輝が奈々の友達に猛アタックを開始していた。
「彼女のためだけに作った訳じゃないけど、結果的にはそうなるのかな」
睦也も酔いが回っているのか、素直に答えていた。
「やっぱり、まだ好きなんですね?」
その問いには答えなかった。答えられなかった。酔っていたとしても、それを軽く口にすることは出来なかった。いや、例え泥酔状態でも、口にすることはなかっただろう。
黙ったままの睦也を見て、それをYESと受け取めた奈々は、そうですよね、力なくそう呟いた。