軌跡
四章
運命のライブから一週間が過ぎ、街はゴールデンウィークの名残を残さず、次の大型連休、お盆を目指しいつもの忙しなさを取り戻していた。
そんな中、睦也は落ち着かない日々を過ごしていた。賢介からの話だと、デビューに関する選考は難航しているとのことだ。期待と失望が交互に訪れ、神経は擦り減っていく。本番は過ぎてしまったのだ、後は祈ることしか出来ない。その無力感が、更なる心労に繋がった。
当然のように、そのストレス解消法は限られてしまう。昨夜も遅くまで深酒をしてしまった。それを止める者も今はいない。だが、今日は幸いにも一日休みだ、バイトもバンド活動もない。こんな日は一体いつ以来だろう? 久々に昼頃まで眠れる、そう信じていた。一本の電話がかかってくるまでは。
そんな中、睦也は落ち着かない日々を過ごしていた。賢介からの話だと、デビューに関する選考は難航しているとのことだ。期待と失望が交互に訪れ、神経は擦り減っていく。本番は過ぎてしまったのだ、後は祈ることしか出来ない。その無力感が、更なる心労に繋がった。
当然のように、そのストレス解消法は限られてしまう。昨夜も遅くまで深酒をしてしまった。それを止める者も今はいない。だが、今日は幸いにも一日休みだ、バイトもバンド活動もない。こんな日は一体いつ以来だろう? 久々に昼頃まで眠れる、そう信じていた。一本の電話がかかってくるまでは。