軌跡
西小山のアパートに着いたのは、十一時を回った頃だった。
あの後四人とヒロポンは、時が止まったかのように固まっていた。スタッフに練習時間の終わりを告げられ、ようやく五人は立ち上がり、駅まで向かった。その間も、言葉という言葉は交わされず、それぞれの電車に乗り込み、解散となった。
睦也は背負っていたベースを床に置き、瓶のままウィスキーを口に含んだ。
もう、あの悔しさはなかった。
そこにあるのは、〈無〉だけだった。いっそのこと、悔しさ悲しさのもと、大声で泣き叫べたらどれだけ楽だったろう?
もう一口ウィスキーを含む。喉を熱い刺激が走り、空っぽの胃を焼いていく。だが、心は冷めきったまま、何の感情も湧かなかった。
あの後四人とヒロポンは、時が止まったかのように固まっていた。スタッフに練習時間の終わりを告げられ、ようやく五人は立ち上がり、駅まで向かった。その間も、言葉という言葉は交わされず、それぞれの電車に乗り込み、解散となった。
睦也は背負っていたベースを床に置き、瓶のままウィスキーを口に含んだ。
もう、あの悔しさはなかった。
そこにあるのは、〈無〉だけだった。いっそのこと、悔しさ悲しさのもと、大声で泣き叫べたらどれだけ楽だったろう?
もう一口ウィスキーを含む。喉を熱い刺激が走り、空っぽの胃を焼いていく。だが、心は冷めきったまま、何の感情も湧かなかった。