軌跡
「なぁ賢介、おれたちのやりたかった音楽って、何なんだろうな?」
グラスの中で揺れる、丸い氷を眺めながら睦也は呟いた。
「お前がやりたかった音楽は何なんだよ? それは今と違うのか?」
賢介からの質問返しに、睦也は暫く考えた。
「おれは、自分を表現するために音楽をやってきたんだ」
「今は表現出来てないのか?」
「そうじゃない、そうじゃないけど……」
賢介はその続きを待っているのだろう、無言でグラスを傾けた。
「もっと自由に演奏したいっていうか、何ていうか。……今まではずっとそうしてきた訳だろ? 今は矯正されてるっていうか、型にはめられてるっていうか」
賢介は暫く考えた末に、口を開いた。
グラスの中で揺れる、丸い氷を眺めながら睦也は呟いた。
「お前がやりたかった音楽は何なんだよ? それは今と違うのか?」
賢介からの質問返しに、睦也は暫く考えた。
「おれは、自分を表現するために音楽をやってきたんだ」
「今は表現出来てないのか?」
「そうじゃない、そうじゃないけど……」
賢介はその続きを待っているのだろう、無言でグラスを傾けた。
「もっと自由に演奏したいっていうか、何ていうか。……今まではずっとそうしてきた訳だろ? 今は矯正されてるっていうか、型にはめられてるっていうか」
賢介は暫く考えた末に、口を開いた。