軌跡
その日、バイトを終えて帰宅した睦也は、何気なくテレビを点けた。するとそこからは、明日の天気を伝える無機的な声が聞こえてきた。明日は一日、生憎の空模様とのことだ。そしてどこかからやってきた寒波の影響で、最高気温が十三度までしか上がらないとのことだ。最高気温十三度と言われてもピンとこないが、それが十一月中旬並みの気温と聞き、寒いということが理解出来た。十月も二週目を終えようとしていたが、まだまだ防寒からは縁遠い日が続いていた。睦也は明日に備え、冬物の衣服を取り出そうとクローゼットを開いた。
この際だ、夏物と冬物の衣替えをしてしまおう。
そう思いハンガーにかかった夏物をたたみ、衣装ケースの中で眠る冬物を取り出そうと引出しを開いたそのとき、睦也の腕は動きを止めた。
この際だ、夏物と冬物の衣替えをしてしまおう。
そう思いハンガーにかかった夏物をたたみ、衣装ケースの中で眠る冬物を取り出そうと引出しを開いたそのとき、睦也の腕は動きを止めた。