軌跡
ライブから五日が過ぎ、週に一度のスタジオ練習の日がやってきた。メンバーと会うのもあの日以来だし、何か連絡を取った訳でもない。どこか気まずい気分のままスタジオの扉を開くと、既に他のメンバーは顔を揃えていた。
「睦也が遅刻なんて、珍しいな」
「電車が混んでたんだよ」
遅刻常習犯の言葉に、嫌味を込めて言い返した。
小さな笑いが起こったが、どことなくしらじらしい雰囲気は拭い切れなかった。本当のことを言えば、どんな顔をして現れればいいかを悩んでいる内に、遅れてしまったのだ。
「それよりも新曲のことなんだけど、今日からアレンジを進めていかないか? 太輝と秀樹には確認したんだけど」
いんじゃないのか、さり気無く言ったつもりだったが、どこか棘を含んでいるようで、自分でも情けなくなった。
「じゃ、決まり。そろそろ時間だ、行こうか」
賢介が立ち上がり、それに続いて太輝と秀樹が立ち上がった。睦也はその姿を眺めながら、大きな溜息と共に立ち上がった。
「睦也が遅刻なんて、珍しいな」
「電車が混んでたんだよ」
遅刻常習犯の言葉に、嫌味を込めて言い返した。
小さな笑いが起こったが、どことなくしらじらしい雰囲気は拭い切れなかった。本当のことを言えば、どんな顔をして現れればいいかを悩んでいる内に、遅れてしまったのだ。
「それよりも新曲のことなんだけど、今日からアレンジを進めていかないか? 太輝と秀樹には確認したんだけど」
いんじゃないのか、さり気無く言ったつもりだったが、どこか棘を含んでいるようで、自分でも情けなくなった。
「じゃ、決まり。そろそろ時間だ、行こうか」
賢介が立ち上がり、それに続いて太輝と秀樹が立ち上がった。睦也はその姿を眺めながら、大きな溜息と共に立ち上がった。