軌跡
 最初こそギクシャクしたものの、次第にそのわだかまりも影を潜めていった。久々の大音量に、つまらないことを気にしていた自分がバカらしく思えてきたのだ。するとある変化に気付いた。指がいつもより滑らかに動く。そして小さなズレにも気付け、音と音が繋がっていくのが感じとれた。久々の感覚に、練習の成果、そして改めて、自分がどれだけサボっていたかを痛感した。
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