軌跡
時計の針は六時を回り、睦也は着替えを終え帰路に着いた。疲れた体で鍵を開け、扉を開くとズボンのポケットの辺りに違和感を覚えた。何かが小刻みに振動している。
「お疲れ。今、大丈夫か?」
電話の相手は賢介だった。
「お疲れ。バイトが終わって帰ってきたとこだよ」
左手に携帯を持ち変え、右手で靴を脱ぎながら続けた。
「明日のライブのことなんだけどさ、音出しが三時からだから、二時半くらいにはこれるか?」
「了解。太輝と秀樹には連絡した?」
「これからするとこ。じゃ、明日も気合い入れていこうな」
短い通話を終え、携帯をポケットの中に押し戻しながら、冷蔵庫を開き発泡酒の缶を取り出した。この一杯のために生きている、と言えば大袈裟だが、この一杯が明日への活力となる、と言っても過言ではない。
「お疲れ。今、大丈夫か?」
電話の相手は賢介だった。
「お疲れ。バイトが終わって帰ってきたとこだよ」
左手に携帯を持ち変え、右手で靴を脱ぎながら続けた。
「明日のライブのことなんだけどさ、音出しが三時からだから、二時半くらいにはこれるか?」
「了解。太輝と秀樹には連絡した?」
「これからするとこ。じゃ、明日も気合い入れていこうな」
短い通話を終え、携帯をポケットの中に押し戻しながら、冷蔵庫を開き発泡酒の缶を取り出した。この一杯のために生きている、と言えば大袈裟だが、この一杯が明日への活力となる、と言っても過言ではない。