軌跡
よく冷えた発泡酒の缶を握り、狭いワンルームに置かれたソファーの上に座り込むと、睦也は静かに目を閉じた。クッションが潰れ、煎餅のようになったソファーの座り心地がいい訳ではない。ただ、集中するには適していた。
暗闇の中、ざわつく客席。ステージの上、それぞれの位置に立つ四人。秀樹の握るスティックがカウントを刻み、ベースの重低音が、ギターの歪んだ音が空気を揺らす。同時に複数の照明が灯り、七色に輝きだす世界。賢介の澄んだ声が加わる。出だしは好調、客の入りも悪くない。自然と足がリズムを取り始める。盛り上がる歓声、熱狂は最高潮を向かえた、そのときだった、ガチャリ、という不協和音が部屋の中に響いたのは。
暗闇の中、ざわつく客席。ステージの上、それぞれの位置に立つ四人。秀樹の握るスティックがカウントを刻み、ベースの重低音が、ギターの歪んだ音が空気を揺らす。同時に複数の照明が灯り、七色に輝きだす世界。賢介の澄んだ声が加わる。出だしは好調、客の入りも悪くない。自然と足がリズムを取り始める。盛り上がる歓声、熱狂は最高潮を向かえた、そのときだった、ガチャリ、という不協和音が部屋の中に響いたのは。