忘れゆくあなたへ


母には借金があり

返済能力がなくなってからは

僕がこの2年間で

440万円をなんとか返済した

料理の道を生きてきた僕が

やっと目指していた店の料理長に

なって初めて迎えた夏が

けたたましく鳴く蝉の声とともに

始まろうとしていた
時だった
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