忘れゆくあなたへ

今、あなたにとっての幸せは何ですか?

僕はいつも心の声で
問いかける

母にとっての幸せを

きっと、母は肩身の狭い思いをしている

ボケがひどい時は
言葉を荒げたりそんな事さえも忘れたり
色素の薄くなったその瞳で
ただボーっと虚空を見つめている

そして状態の良い時は
僕に申し訳なさそうに

「私、生きてていい?」
「あんたに迷惑掛けてない?」

と涙を浮かべながら
聞いてくる
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