透明人間の恋

別れ

僕はまたあの子のところに行く
歌が聞きたいから それもあるけど
笑顔が見てみたい
歌ってる時以外の顔が見てみたい
もっと声が聞きたい
嬉しそうな声 切ない歌声
他にもたくさんのあの子がみたい
それはただの興味とかじゃなくて

きっと僕はあの子が好きだ

そう思うとますます会いたくなって
小走りで向かった

でもそこには誰もいなかった

ガランとした部屋
いつも聞こえる歌声も
いつもいる女の子も
誰もいない 何もない
いつもの場所より一歩踏み出すと薄ピンクの封筒
それはあの子と初めて会ったときのワンピースの色だった

カサリと封筒を開くとそこには整った字体
どうやったのかは分からないただ僕はその字を見つめた




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