透明人間の恋
「ずっと会いたかった…」彼女はそう話し出す

「一番に会いたくてでもどうすれば会えるか分からなくて…
あの時の歌を歌えば気づいてくれるかなって…
やっぱり気づいてくれた

ずっと気になってた
どんな顔してるのかな
どんな表情するのかな
どんな顔して私の歌聞いてくれてるのかな
どうやって笑うのかなって…
やっと見れた」

そう言って彼女は笑う
フワッとすごく綺麗に

「"ねぇあなたはだあれ?
お母さんやお父さんじゃないよね
でも先生や看護婦さんでもない
ねぇあなたはだあれ?"」

初めて会ったときの台詞
僕の声は相変わらず出ない
だからメモ帳を出して文字を書く



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