どうも、



「学校来るの早いんですね」

「今日はたまたまな。てかお前も早いじゃん」

「おれは、まぁ色々とありまして」

「ふぅん」


どきどきと心臓を高鳴らせながら会話をする。
声が裏返りそうで怖い。
そんな俺を知ってか知らずか、朽木は俺の横に立つ。


「あ、そうだ。会長さん、これ」

「ん?」


朽木に差し出された小さな二つ折りのメモを受け取る。
そのメモを開いてみると、そこには朽木のフルネームと、見知らぬ電話番号とメールアドレスが書かれていた。

これって、もしかして、


「なぁ、朽木、」

「おれの携帯の電話番号とメールアドレスです。良かったら、連絡ください」


目を細めて笑う朽木の顔を直視できない。
あぁまじかよ。幸せすぎる。
女みたいに丸い字で書かれたそれは、なんだか輝いて見える。


「さんきゅ、」

「どういたしまして」


ぶっきらぼうに礼を言うと、朽木はふふ、と笑った。
今日、早く来て良かった。


「今日、早く来て良かったです」

「……え?」


朽木が呟いた言葉を思わず聞き返す。
すると朽木は少し頬を赤らめながら微笑んだ。


「だって、会長さんに会えたし」




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