どうも、

「朽木のこと？」

「うん、そう」


にこやかに告げられた言葉に、正直迷った。
そういや前に生徒のデータを見たとき、朽木と爽司は同じ学校って書いてあったっけ。

全てを悟っているかのように、爽司は意地の悪そうな顔で笑う。


「や、良い」


はっきりとそう告げると、爽司は目を見開いた。


「なんで？気にならないの？」

「なるけど、こういうのは本人から聞くべきだろ」


驚きながら問い掛けてくる爽司に、思ったことをそのまま伝える。


「ふぅん、アッキーって変に男気あるんだね」


コップに入った氷をストローで動かしながら爽司は言う。
その顔はなんだか楽しそうだ。


「まぁ良いや。朽木くん、くせ者らしいから気をつけなよ？」

「何でお前にそんな事言われなきゃなんねぇんだよ」


不機嫌そうに言うと、爽司は今日一番の笑顔で言った。


「だってアッキー、朽木くんに告ったんでしょ？」


またその噂か！


「どっから入手したんだその情報！」

「えー？内緒！」


あはは！と笑いながら言う爽司に、呆れながらアイスコーヒーを飲む。
そんな俺を見て笑っていた爽司が、ふと動きを止めた。

「どうした？」と問うと、爽司は外を指差す。

その先には、朽木と、少女が歩いていた。





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