どうも、



バァン、というシンバルの音を最後に、演奏は終わった。

俺と爽司は、半ば放心状態といった様子で拍手をする。
5人はというと、さっき演奏した曲の感想を言い合っている。


「さっきのサビの直前、雛春、音外してたわよ」

「あーあ聞こえなーい」

「愛琉も外してたよな」

「オレはいつでも完璧だよ?」

「そうですね、愛琉さん!」


和気あいあいと話す5人の輪の中を、朽木はするりと抜け出て、俺の元へ歩み寄ってきた。


「会長さん、どうでしたか?」


不安げに見上げてくる朽木に、胸が高鳴る。

俺は赤くなったであろう顔を隠しながら「良かった」と無愛想に告げる。
すると朽木はふわりと顔をほころばせた。





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