どうも、
うわぁぁデートか!まじか!
なんて一人で盛り上がっていると、朽木は俺の制服の袖を掴んだ。
しばらくゆったりと歩いていたが、心臓の高鳴りは相変わらずおさまらない。
「なんか、ごめんなさい」
ふと告げられた謝罪の言葉に、俺は驚いてしまう。
一体何の話だろう。
「何のことだ?」
「さっきの、桜が勝手なことしちゃってごめんなさい」
「いや、別に気にしてないけど」
「ふふ、なら良いんですけど」
苦笑する朽木に返事をすると、やっぱり朽木は申し訳なさそうに笑った。
か細く弱々しいそれを見て思ったのだ。
朽木のことを知りたいと。
俺が知ったところでどうもならないだろうけど、ただただ、知りたいのだ。朽木が秘めている何かを。
「朽木、」
そう思うと、悩むより先に
「お前のこと、知りたいんだけど」
体が動いていた。
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