どうも、
「おれのこと、ですか?」
「うん、お前のこと」
きょとんと聞き返してくる朽木に、俺はうなずく。
すると朽木は少しだけ考えるそぶりを見せて、辛そうに笑った。
***
ここじゃなんですから、と朽木に言われて近くの公園に移動した。
公園にあったベンチに腰をかけ、俺達は黙り込む。
「何から話しましょうか…」
悲しそうに笑いながら、朽木は話し始めた。
「おれは、バンドをしてます。弟が一人います。それから男性が好きです。でも女装願望はありません」
「…男が好きってのは、まじ?」
「まじです。でもそうなったのは中1のとき、です」
一瞬だけ、唇を噛んだ朽木に質問をするのは、なんだか躊躇われた。
だけどここまで言われると気になってしまう。
「本当に言いたくなかったら言わなくて良いから、何があったか教えてくれないか?」
そう言うと、朽木はゆっくりうなずいた。
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