どうも、



目を真っ赤にして、朽木は笑う。


「あは、すみません、こんなに泣いちゃって」


照れ臭そうに笑いながら鼻を啜る朽木は、先程よりもすっきりしているように見える。


「いや、大丈夫」


微笑みながら頭を撫でてやると、朽木は俺の手を掴んだ。
い、嫌だったのか?


「あ、あの!ダメです!
また泣いちゃいそうだから、!」


鼻声で必死になりながら言う朽木に、思わず笑ってしまう。
ああ、もう。


「ふ、はは、わり、」

「え?えぇ?」


笑いをこらえながら、掴まれた方とは逆の手で朽木の頭を撫でる。
朽木は戸惑って目を丸くしている。


「うん、泣けば良いから、我慢しなくて良いからな」


そう言うと、朽木は再び目を潤ませながら、「はい、有難うございます」と笑った。





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