どうも、
何だか気まずくなってぼんやりしながら歩いていると、突然肩に強い衝撃が加わった。
その衝撃の正体が人間だということは、足元に転がったものを見てすぐ分かった、が。
「会長さん大丈夫ですか!?っていうかその人…」
焦った表情の朽木に「あぁおれは大丈夫」と言いながら足元に転がる人間に声をかける。
「おい、アンタ大丈夫か?」
周囲の人間が「殺人か?」「喧嘩でしょ?」とざわついているのを気にせず、転がった人間の顔を覗き込んだ。
すると、それは見覚えのある顔で、
「…擁一郎?」
俺が名前を呼ぶと、転がった人間、もとい擁一郎は顔を上げた。
「あ、きら…」
顔を上げ、俺の名前を呼んだのはやはり擁一郎で、
コイツ今までどこに行ってたんだとか、お前男と付き合ってたのかとか、聞きたいことなんて山ほどある。
けれど、俺が口を開くより先に、擁一郎が口を開いた。
「頼む、助けてくれ、!」
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