どうも、
(こんなときに誰だよ…)
そう思いながら立ち上がろうとした瞬間、部屋の扉が勢いよく開いた。
開いた扉の先には、見覚えのある人が立っている。
「擁一郎…良かった…」
泉士先輩…!?
なんでこんなところに…
「ごめんね彰、家の場所、調べちゃった」
息を切らしながら笑う泉士先輩は、相変わらず綺麗な顔で、
けれどなぜか先輩の目は笑っていなかった。
「それと、擁一郎、」
先輩は床に座り込んだ擁一郎を呼ぶ。
そして、顔を強張らせながらこう言い放った。
「一発殴らせなさい」
次の瞬間、ぼごっという鈍い音と、擁一郎の嗚咽が部屋に響いた。
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