ラブ、LOVE、ラ部!?
自慢じゃないけどこんな美形とこんなに接近する経験なんてない。

そんなあたしに気付いたのか、会長は更に顔を近付ける。

「ちょ、近いっ。」

あたしの訴えに会長は少し口角を上げた。

「んー?聞こえないなー。
ちゃんと質問に答えてよ。」

絶対に聞こえてるはずなのに。

人をからかってそんなに楽しい?

大体質問ってなんなわけ。

「質問?」

このときのあたしは『なんの事?』と言わんばかりの表情だったと思う。

「だから俺達に何の用だったの?」

そういえばそんな事を言われたような気がする。

え、っと。

特にあなた達限定の用ではなかったのですが。

「迷っちゃって。人気がしたから下駄箱までの道を教えてもらおうと思ったんです。」

だからまさかこんな事されるなんて予想もつかなかったわけで。

「ふーん。『ラ部』に用があったわけじゃないんだ。
まぁ、折角だから……。」

そう言うと城咲さんはあたしの顎を上げて更に顔を近付けた。

これはもしかして、キスされる!?

「やっ。離して!!」
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