海の思い出


「懐かしいなぁ。」

あたしは言った。
彩は

「ここ超綺麗じゃん。
さすが友里音だね!」

と言いながら
あたしの肩をたたく。


あたしは優を見た。
なんだか悲しそうな
顔をしてたんだ。

だけどあたしが話しかけると
いつもの優に戻った。


4人だけの
貸し切りの海だった。

目一杯楽しんで時間は
5時半。
あたしたちは
帰ることにした。


帰り道優はあたしの
家まで送ってくれた。
その帰りしな。
あたしは優に聞いた。


「どうして初め
悲しそうな顔してたの?」

すると優はこう答えた。

「俺あね海である子に
恋したんだ…
…昔の話だぜ?
一目惚れしたんだよな…」

「そうだったんだ…」

「いや。
今は別に好きじゃねーぞ?
ただ思い出した
だけだからよ。
だいたいガキの頃の話だし
今は友里音オンリーだよ!」

そう言うと優は
ウィンクした。

「そっか。よかった!!」



あたしは家に帰ると
バッチを出した。

あたしも実はあの海には
思い出があるから…。
もしかしたらまた
あの子に会えるかも
って期待してあたしは
あの海を
選んだのかもしれない。



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