海の思い出


1月28日



あなたは。
優は事故にあった。


命はとり止めたものの
大切な物を失った。



"記憶"


「優!?優!?
大丈夫!!??優??」

事故にあったと聞いたあたしは
優のいる病院へ
急いで駆けつけた。
必死に優に話しかけたよ。


優の顔はあの優しい
優の顔じゃない。



優のお母さんから聞いた
衝撃的な言葉…

「友里音ちゃん。
優は……
優はね。記憶喪失に
なってしまったの。」


嘘だ。


「おばちゃん。
こんな時には冗談は
よくないですよ…」

「冗談なんかじゃないの。
これが現実の。」



優は覚えてないの?

あたしたちの思い出を。



しかし優はほんとに
記憶喪失。


あたしは毎日
優に愛に言った。

だけど優の顔が
いつもの優しい優の
顔に戻ることは無かった。



あたしは決心した。

今日で優が
思い出してくれなかったら
おばあちゃんのとこへ
行こう。と…


あんなの優じゃない。

優のいない世界なんて
つまんない。
生きてても無駄だ。
辛いだけ。
いつもなら辛さを
分けあったよね。

けど…

分け合えないんだね…


あたしはあるものを
持って言った。

最後の可能性を信じて…


それは………



あのバッチ。





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