海の思い出

あたしは書いた手紙を
棺桶の中に入れた。

「手紙も燃やして下さい。」

おばあちゃんは
天国へと旅立った。


小さいときから
おばあちゃんが大好きだった。

あとからお母さんに
聞いたけど、
おばあちゃんは癌だったらしい。
けどそれを友里音に
言ったら悲しむから
黙っててくれって
言ってたらしい。


優しくて頼りになる
自慢のおばあちゃん。
おばあちゃんがいなくなった
悲しみはとても
大きいものだった。


その日は
1日中泣いた。
次の日あたしは
泣き腫らした目で
学校に行った。
彩と先生には
事情を話してたから
その事には一切
触れなかった。

授業中ふと隣を見た。
優が来てない。

しばらくすると優は
遅刻して来た。

優と目が合った。

すると優からメールが来た。

[どうしたの?]

あたしは返事しなかった。
するとそれを見た優は

[休み時間屋上に行こ]

ともう一件メールしてきた。


休み時間のチャイムが鳴って
あたしは優に
手を引かれるがまま
屋上へ行った。

少し冷たい風が
なんだか気持ちい。

初めに口を開いたのは
優だった。

「昨日どうしたの?」

あたしは黙ったまま。

「友里音。
俺じゃ頼りねーかなぁ?
話したら少しは
楽になるぜ?」


「おばあちゃん…
おばあちゃんが
死んじゃった…
おばっ……
おばあちゃんが……」

あたしは泣きながら
優に全部話した。

話終わって優の顔を見た。
優も泣いてる。

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