君を壊してしまう前に(短編)
ことの発端は今から30分前ー。

理事長室に呼び出された事から始まる。

生徒会副会長を務めている僕に理事長は優しい笑顔でこう頼んだ。


「今からくる転校生を玄関まで迎えに行ってあげてくれないか?」


そう言えば転校生が来るって言っていたっけ。

「構いませんよ」

作り笑顔でそう返せば理事長は満足げに頷いた。

本当はこう言いたい。



"僕にんな面倒な事頼むんじゃねぇよ。…てめぇがいけっつの"


…言えないけどな。
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