君を壊してしまう前に(短編)
玄関に着くともうそこには1人の少女が不安げに立っていた。


あまり特徴のない子だなっというのが最初の印象。

平凡な顔に茶髪気味なストレートヘヤー。


僕を見つけると目を見開いてポカーンとした。



「初めまして。僕はここの副会長の真島 聖です。理事長先生に君を迎えにいくように頼まれたんだ」

微笑んでそう言えば彼女は顔を真っ赤にさせる。

「…てっ転校生の桜 舞子です」


「よろしくね」


僕の微笑んだ顔ジーっと見つめながら彼女は呟いた。

「疲れませんか…?」

「え?」

「無理やり笑うのって…疲れませんか?」

「…!?」

え?

なんでーーー。

僕の笑顔が作り笑顔だって分かったんだ?

バレたことなんてないのに。
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