オカンの館
 
「奈美ッ!〝ドン、ドン、パーッ! ドン、ドン、パー″やでッ!」


そう言いながら、何故かオカンはシコを踏む格好をして、ジリジリ廊下を前進し出した。


「ドン、ドン、パーッ! ドン、ドン、パーッ!」


言葉を掛ける事も忘れたオレと義兄の前を、


「ドンドンパー …‥ドンドンパー …‥」


ひたすら連呼しながら前に後ろに、真剣な顔でシコを踏むオカン。
 
< 172 / 256 >

この作品をシェア

pagetop