オカンの館
 
そう。
あれは入学式当日。




真新しい制服に身を包んだオレは、期待に胸膨らませて、学校行きのバスに乗った。


20分弱、バスに揺られ、学校に到着。

校門に入ろうとした瞬間、タクシーが一台、オレの前を遮るように停まった。

出て来たのは、紋付き羽織姿の、派手な着物姿の…‥オカン。


「竜太郎! 間に合うて良かったわぁ」


オレは仰天おののき、しばらく声が出えへんかった。
 
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