キャンパス
幼い約束
「優介兄、何かいてるの」
優介が手に持っている紙をのぞこうとするが、優介のランドセル二つ分ほどしか背丈がない夏輝には何も見えなかった。
優介は足元でぴょんぴょんはねる夏輝をまばたきもせずに見つめながらせわしく鉛筆を動かしていた。
「ほら」
優介が紙をひっくり返すと、そこにはさっきまでの夏輝の必死な顔が描かれていた。
「これ夏輝?」
夏輝は渡された紙を小さな手でぎゅっとにぎって優介に聞いた。
「似てるでしょ」
優介は得意気に笑いながらさっきまで散らかしていた鉛筆や消しゴムをせっせと筆箱にしまった。
「優介兄すごい!この夏輝すごく可愛い!」
夏輝は上機嫌で、絵を振り回しながら、そこの川にはまるんじゃないかと心配したくなるほどの勢いで飛び跳ねている。
それを見た優介は
「でもちょっと可愛く描きすぎたかなー」
と言った。
「優介兄のばかあ」
優介はにこっとしてランドセルを背負うと、
「帰ろうか」
と言って夏輝の小さな手を引っ張りながら歩き始めた。
「優介兄」
「ん?」
「また夏輝の絵かいてね!もっと可愛く!」
目をきらきらさせながら優介を見上げる夏輝。
「今日も十分可愛く書いたでしょ」
「もっと!もーーっと可愛くかいて!」
期待にあふれたその表情を見て、優介は
「もっと僕の絵が上手になって、夏輝がもっと大きくなったら、もう一回書いてあげる。そのときは今日よりももっともっと可愛く書いてあげるね」
「うん!約束だよ!」
優介が手に持っている紙をのぞこうとするが、優介のランドセル二つ分ほどしか背丈がない夏輝には何も見えなかった。
優介は足元でぴょんぴょんはねる夏輝をまばたきもせずに見つめながらせわしく鉛筆を動かしていた。
「ほら」
優介が紙をひっくり返すと、そこにはさっきまでの夏輝の必死な顔が描かれていた。
「これ夏輝?」
夏輝は渡された紙を小さな手でぎゅっとにぎって優介に聞いた。
「似てるでしょ」
優介は得意気に笑いながらさっきまで散らかしていた鉛筆や消しゴムをせっせと筆箱にしまった。
「優介兄すごい!この夏輝すごく可愛い!」
夏輝は上機嫌で、絵を振り回しながら、そこの川にはまるんじゃないかと心配したくなるほどの勢いで飛び跳ねている。
それを見た優介は
「でもちょっと可愛く描きすぎたかなー」
と言った。
「優介兄のばかあ」
優介はにこっとしてランドセルを背負うと、
「帰ろうか」
と言って夏輝の小さな手を引っ張りながら歩き始めた。
「優介兄」
「ん?」
「また夏輝の絵かいてね!もっと可愛く!」
目をきらきらさせながら優介を見上げる夏輝。
「今日も十分可愛く書いたでしょ」
「もっと!もーーっと可愛くかいて!」
期待にあふれたその表情を見て、優介は
「もっと僕の絵が上手になって、夏輝がもっと大きくなったら、もう一回書いてあげる。そのときは今日よりももっともっと可愛く書いてあげるね」
「うん!約束だよ!」