しょうげき

二場

一面、得体の知れない肌色の花が咲いている。
他には何もない。
ふと振り返ると、夏巳がいた。
ニッコリと笑いながらこちらに近づいてくる。
彼女が右手を挙げる。
俺も微笑み、右手を挙げる。

彼女は俺の一歩手前で立ち止まる。
抱き寄せれば抱きしめられる距離。
俺は挙げていた右手を彼女の方に伸ばす。
次の瞬間、彼女の開いていた右の手のひらが握り拳に変わり、俺の顔に直撃した。



「ぎゃあぁあぁぁぁぁぁぁぁ…!!」
「変態っ!!!!」

顔に鈍い痛みを感じつつ、目を開けると、何かを枕にして寝ていた。
頭上には夏巳と…美人だ…
「夏巳ちゃん、ダメじゃない…」
「だってだってこいつが先輩の膝枕なんか…!」

膝枕…だと…?
この柔らかさ…
確認しなければ…
そう思い、指で押してみた。
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