夢者奇譚‐ムシャキタン‐
出
校庭の桜がこれみよがしに咲き乱れる頃、私は中学校2年生へと進級していた
ピンクの紙吹雪が舞う中、私は人で溢れる通行路を歩く
その側では小鳥たちが春を祝うかのように歌っていた
私は見慣れた道を右折し、学校へと足を踏み入れる
いつもの朝だった
教室に入り、時間になればホームルームも始まる
今日のホームルームは係決めを目的としたものだった
「今から係決めを始める。」
先生は私たちを見渡して大きな声で言った
「体育係が良い人ー!」
次々に言っていく中で、皆はそれぞれやりたいところで手を上げる
私はどちらかというと自己主張が苦手で、隅の方でおどおどしていた