夢者奇譚‐ムシャキタン‐
「生き物係が良い人―!」
そう先生が言った時だった
辺りがしん、と沈み変える
生き物係とは、単に動物の世話をするだけなのだが一つ問題があった
飼われている兎は不良グループの憂さ晴らしの対象だったのだ
そんな兎の世話をするとなると、こちらまで苛められる可能性がでてくる
やりたい人なんていなかった
「利之さんがいいんじゃね?」
ポツリと1人の男子が呟いた
「そうね!
利之さんさっきから手上げて無かったみたいだし、利之さんがいいわよ!」
今まで手を上げなかった人達も、自分たちがしたくないから口々に言い始める
「利之。
おまえやってくれるか?」
何にもしらない先生は私に問い掛ける
そう
利之
利之 美幸【カガノミユキ】
それは私の名前