サクラノコエ
(1)最悪の一日
いつまでもはっきりしない陽気が続いていた。
もうすでに4月に入ってしまったというのに、温かくなったり、寒さが戻ってきたりで、冬のコートをあっさりと脱ぎ捨てられないような。
そんな気まぐれな天気に翻弄されながらも、じわりじわりとつぼみを膨らませていた桜が一気に花を咲かせたポカポカ陽気の土曜日。
桜の開花は、いつだって人々の心をほっこりと温かな気持ちにさせてくれる。
俺の大好きな季節。