サクラノコエ
高校の前を通りすぎる。

1つ目。

2つ目……

4つ目の角が近づいてくるにつれて、早歩きによるものではない激しい動悸と、吐き気をもよおすほどの息苦しさが襲う。

理紗はいるのだろうか……

3つ目の角を過ぎると歩く速度が徐々に上がり、焦る気持ちを抑えきれず気付けば走り出していた。

早く理紗に会いたい。

いつものように無邪気な理紗の笑顔が見たい。

会って理紗の口から「大したことじゃない」と聞きたい。
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