サクラノコエ
「派手って?」

「それは言えない」

田端の話によれば「居るか居ないか分からないような存在」だった中学時代の理紗が、言えないほどの大立ち回りを!?

じゃあ、理紗は自分の体のことを隠していたわけではなく、このことを知られたくなかったがために、挙動不審になっていたのか?

予想外の話に、思わず眉間にしわが寄ってしまう。

「ほら、そういう顔になるでしょ。だから知られたくなかったのに」

俺の顔を見て、話したことを後悔しているふうな理紗に、俺は空気を変えるため

「な~んだ、お前『病人』じゃなくて『暴れん坊』だったのか!」

と、茶化すように笑って言った。

「暴れん坊じゃないよ! それに一回だけだよ、派手なのは」

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