サクラノコエ
「理紗……」

とりあえず俺は、理紗をきちんと名前で呼んだ。

告白を意識した途端、心臓がバクバクと大きな音を立て始める。

「あ、はい!」

いきなり名前で呼ばれた理紗も、なんだか違った空気を感じ取ったのか、背筋をピンと伸ばして緊張した面持ちになった。

理紗が俺を見てる。

顔が熱い。息も苦しい。しかし覚悟を決めなければ。

「あのさ」

告白するのに、男がオドオドしてたらカッコ悪い。

ここは、ハッキリと! 男らしく!
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