サクラノコエ
「でもこれって、パソコンのアドレスだぞ。家が厳しくて持たせてもらえないとか言って。無くね? 今どきケータイ持ってないなんて。メール送った途端なんかヤバいことになったりしそうじゃん。もしかしたら美優が復讐のために送り込んできたのかも」

「お前考えすぎ! 今ごろ、この理紗ちゃん? パソコンの前でお前からのメール待ってるんじゃない。美優とも終わったんだし、深く考えなくてもいいと思うけどな?  試しに送ってみなよ。ヤバかったらアドレスすぐに変えたり、着拒すればいいじゃん」

アドレスを変えたところでバイト先がバレているのだから、あまり意味がないような気はしたが、和樹の家を後にして家に帰る道すがら、とりあえず当たり障りのない内容のメールを送ってみた。

……しかし時間も遅かったことや、パソコンメールということもあってか、結局返事がなく、なんだか微妙にフラれたような気分になった。

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